フライフィッシング時々アウトドアのち道具ヲタクところによって激辛B級グルメもあるでしょう

2017年5月7日日曜日

復活の川

晴天に恵まれた連休でした。秋田駒ケ岳の雪型もクッキリ「伝説の巨人」が現れたところ。

連休中は人出も多く、家族サービスもしなくちゃならないし、思うように釣りができないのは例年通りですが、ともあれ、連休中の成果をふりかえってみたい。

まず何より気がかりなのが、昨年秋の台風による岩手県沿岸河川の荒廃。釜石以北の鵜住居川、閉伊川 、小本川、安家川、久慈川のことごとくが、いまだに台風の爪痕痛々しい。
写真は鵜住居川で、昨年と同じアングルで撮影したもの。以前は大きな岩と淵が点在する好ポイントでしたが、今はゴロタ石の転がる平川と化し、魚影も見られない。昨年も良い思いをさせてくれた場所なのに。。。

しかし、だ。けっしてヤマメやイワナたちが死滅してしまったわけではない。さらに上流を目指すと、そこにも台風の爪痕は残っているものの、険しい谷のことであり増水や激流はいつものことなのであろう、普段と変わらず、せわしなく餌を追うヤマメの姿があった。
なかなか良い型で、9寸級はある。しめしめと竿を出しましたが、ドライフライに反応せず(悲)写真撮ってたときも水中の餌だけ捕食してましたからね。ナメてかかって失敗しました。

その代わりに、おちゃっぴいなチビさんは盛んににアタックしてくる。
こんな大場所なのに、なんでこんなサイズが来るかなぁ~
 それにしても緑がまぶしいです。
このクラスばかり次々来る。大きくなってからまた会いましょう。
荒廃した本流も、こうした上流の種沢からの供給があれば、時間はかかっても復活していくことでしょう。

それにしても、鵜住居川本流の荒廃はすさまじく、橋が落ちたままの箇所。

落ちなかったものの、 壊れかけて車両の走行が不可能となった橋。
この高さまで水が上がったわけですね。当時はさぞかし恐ろしい状態だったことでしょう。

川岸にもその頃の爪痕がいまだ生々しい。



復活といえば、この川とは別に嬉しいことがあった。それは、ドライブ途中で立ち寄った和賀川支流でのこと。
ここはかつて、牧場の中をゆったりと流れる、テクニカルかつドライフライには楽しい川なのであった。川の周りに河畔林が発達し、時折現れる淵をドラグフリーで流すと、ヌウッと浮かび上がってくる良型ヤマメに恵まれたものだった。

しかし、砂防指定地となったこの川に大規模な河川改修が入り、両岸はコンクリートと蛇籠で固められていった。傾斜がゆるく民家からも離れていて、水害とは縁のない川だったのに、砂防指定地とされた理由は謎だ。ともあれ、あのとき一旦、この川は死んだのだ。

あれから25年を経過した先日、懐かしさのあまり橋からこの川を眺めると、月日の経過は元のような河畔林を復活させ、真っ平らだったはずの河床には淵が点在、さらに目を凝らすとヤマメの泳ぐ姿が見えるではありませんか!これはガマンできない、わずかな時間ながら、そそくさと竿を出すと、、、
をを、ちょっと痩せてますが、さっき見えてたヤマメさんが出てくれました!これはナイスです。
川底の色と同じ、白っぽい体色をしていますね。顔のサイズからすると、まだまだ大きくなりそうです。この後、すぐに3本のヤマメを追加、短時間ながら嬉しい釣りができました。


台風で河川環境を一変させるのも自然の力であれば、人が造った構造物を自然に返すのも、また自然の力なのでしょう。荒廃した川と、復活した川の双方を目の当たりにし、自然界の時の長さをしみじみと感じた連休となりました。

2017年3月26日日曜日

ようやく初釣行 寒い日はアルコールストーブで

 
今シーズンも、近所の湧き水の小河川で初釣行となりました。


いつもの年なら沢沿いはまだ雪景色のはずですが、今年はまったく雪がありません。水量も既に落ち着いていて、連休開けの水不足が今から心配されます。

とはいえ水温たったの4℃、ハッチのひとつも無いので、例によってビーズヘッドのフェザントテールで落ち込みを探っていきます。ほどなく、、、
 手のひらサイズのヤマメさん。この春の2年生ですね。小さくともやはり嬉しい初ヤマメ、今年もよろしくお願いします!夏になる頃にはもっと大きくなって、また出てきてくださいね。

低水温にもかかわらず意外と反応は良く、同サイズをポツポツと5本掛けましたが、昼時間になったところで冷たい風が強くなってきました。いさぎよく撤収です。

お昼には温かいものが欲しくなる季節。今回また新たなアルコールストーブを投入しました。川を眺めながら、これでカップ麺とコーヒーを楽しむことができます。

ちなみに、昨シーズン投入したイワタニのジュニアコンパクトバーナーですが、やはりガスカートリッジが性に合わず、とっくに人にあげてしまいました(苦笑)ガソリンも着火が面倒だし、ソロのときはアルコールストーブがいちばん好きですね。

「五徳付アルコール ストーブ バーナー ステンレス製 A17」というシロモノ。長ったらしいので「A17」としますね。中国製とおぼしきステンレス製、トランギアよりも火力が優れているとの評価です。

アルコールストーブの炎は青白くて日中は見えづらいものですが、とりわけA17は炎が見えにくい。これでも中央の口とサイドのホールから思いっきり炎が出ているのですが。容器内のアルコールが沸騰しているのが見えますね。


A17のナイスなところは、本体の中にちょうど125mLのナルゲンボトルが収まって、そのまま付属の袋にも収まること。すばらしくコンパクトでスッキリします。

火力ですが、たしかにいつものトランギアよりも早くお湯が沸いた感じです。確認のため、帰宅してから比較の燃焼試験をしてみました。

■A17vsトランギア湯沸かし勝負
沸かす水:500cc、水温16℃、アルミ製ヤカン使用
ケンエー燃料用アルコール各40ccで点火、残った燃料を測定
大きな泡がヤカンの口から見えたところで沸騰したとみなす
■結果
A17:約8分(消費燃料28cc)
トランギア:約9分半(消費燃料21cc)

感覚的にも分かりましたが、実験結果からもA17が速いことが確認できました。特に、中の燃料が沸騰しサイドの穴から炎が出始めると、シューシューという音とともに怒涛の火力が発生。しかしその分燃料消費が激しく、同じ500ccのお湯を沸かすのに25%も燃料を多く消費する結果に。。。

ううむ、火力を取るか、燃費を取るか悩ましいところ。逆に言えば、怒涛の火力こそ無いものの、トランギアのバランスの良さや、セットになった風防の熱効率が光る結果ともいえます。アルコールストーブは構造も簡単で自作するのも楽しそう。この分野、今後もさらに掘り下げてみたいと思います。

2017年3月20日月曜日

山仕事のプロ編の続き NSスパイクブーツを買う

チェンソー作業ではケガを防ぐために足元が大切だ。で、防護衣の次はブーツだ。

これもやはり、チェンソーメーカーが切断防止ブーツの類をラインナップしている。しかし、いいお値段がすることに加え、ソールにスパイクが装備されていないのが不満だ。

というのも、道路などまったく無い森の斜面を歩くことになるのだが、落ち葉が積もった斜面はビブラムソールであろうとゴム底は効かない。落ち葉をつらぬいて地面を捉えるスパイクが必要なのである。それと、やむを得ず滑りやすい丸太の上を歩くことがあり、濡れたスギ樹皮はゴム底がまったく効かないのでスパイクが無いと危険だ。本当は、丸太の上を歩いていて丸太が崩れたら大怪我になるので歩くべきではないのだが、やむを得ず歩く場合のことを言っています。

それから、玉切りした丸太が足元に転がってくる可能性を考えると、つま先が安全靴仕様となっている必要がある。

あと、編み上げブーツだと着脱が面倒なので、サイドファスナーなど何か簡単に着脱できる仕組みを備えているものが良い。

こうした条件で調べた結果、現在のところ入手可能なのは以下の2種類かと。

丸五マジカルフォレスター
ミツウマNSスパイクブーツ

どちらもつま先が安全靴仕様、スパイクソールで、サイドにファスナーを備えている。マジカルフォレスターのほうが先行している商品ですが、どうやら耐久性に難アリとの評判が。というわけで、比較的新商品であるNSスパイクブーツのほうをチョイス。近所の作業服店で買ってきました。

株式会社ミツウマといえば、釣り人には馴染みの深い老舗の長靴メーカーで、あのユニークな馬面3頭のマークが有名である。ミツウマは以前から、「岩礁」の商品名でスパイク付き長靴を出しており、これがライバルの大同マイティブーツNSと比べ軽量で軽快、もちろん完全防水で山仕事にはたいへん評判の良い商品なのである。

今回はその「NSスパイク」 の定評のあるソールはそのままに、安全靴のブーツ仕様としたわけで、不整地のグリップ力や耐久性は折り紙付きということになる。

サイドのファスナーで足入れ良好、マジックテープで抑える方式。ただし、ファスナー部は深い水たまりで浸水の可能性があるのと、耐久性がやはり心配。こればかりは使ってみなければ分かりませんが。

ちなみに、靴紐はさっそく交換してあります。というのも、製品に付いていたのは貧弱な平紐で長さも140センチと長く、 結んだ余りが長すぎてトラブルの元になると思いました。写真は、120センチのやや太めの平丸紐に交換したところ。

これが売りの「NSスパイク」ソール、耐久性にも定評あり。

不整地で威力を発揮するスパイク部のアップ。

ちなみに、こうしたスパイク靴は確実に歩道を痛めるので、登山には使用しないことです。あくまで、道路の無い森の斜面をよじ登るためのソール。

サイドのファスナーが深く開くので足入れ一発。カフも深いのでゴミが入りにくくなっており、足の当りも良好。ただし、インソールはこれも貧弱な薄いものでしたので、100均のスポーツ中敷きと交換、フィット感も向上しました。

安全靴なので当たり前ですが、つま先部分はカチコチで拡がりようがないので、履いてみてキツくないサイズを選ぶ必要があります。若干大きめを買って、インソールやソックスの厚さで調整するのが良いかと思います。

ここに居ました!ミツウマさんの3頭マーク。なんか、カワイイ。

履き慣らしのためそこらの森の中を歩いてみましたが、当然のことながら長靴よりも断然フィット感が良好、斜面の昇り降りもイイ感じです。伐採作業だけでなく、森の中を歩くときはいつでもこの靴のお世話になることでしょう。山菜やキノコのシーズンにも活躍しそうですね。

2017年3月12日日曜日

モンベラーへの道・山仕事のプロ編 ウルトラロガーパンツを買う

とても寒くて、まだ釣りには出かけられない。で、今回は仕事がらみの道具の話だ。

自分はプロの伐採業者ではないが、何かと樹木を伐採する機会があるので、プロ用の小型チェンソー(スチール MS 201 C-EM)を持っていたりする。

チェンソーという機械は、むき出しのカッターの刃が秒速20m近い速度で至近距離を突っ走っている、大変危険な道具である。薪ストーブのブームもあって、最近はホームセンターにも手頃な価格のチェンソーが置かれている。確かに、購入に資格が要るわけではないが、自分から言わせてもらえば、何ら研修も受けずにチェンソーを使用するなど自殺行為である。

安全のためには、刃の研ぎ方はもちろん、キックバックの危険といったチェンソーの原理を学んで使用すると同時に、ヘルメット、手袋、防護衣、安全ブーツを着用することが極めて重要である。

チェンソーでケガをしやすいのは頭部と脚部である。頭部はヘルメットを着用するとして、脚部の事故を防ぐため、伐採のプロは海外のチェンソーメーカーが出している防護衣を着用するのが常識だ。しかし、ゴツいナイロン製で重くて暑く、お値段もするので簡単には手を出せない。そこで自分はこれまで「チャップス」という脚部を覆う前掛けみたいなものを使っていましたが、こいつは山林の登り降りには動きにくく邪魔な代物なのである。

やっぱり海外製の防護衣を買うしかないかなぁ、とほとんど決めかけていたところ、なんと日本のモンベルが林業用の防護衣を出すとの情報が。その名も「バリスティック ウルトラ ロガーパンツ」と称する。元よりモンベラーである小生、嬉しさのあまりまったく迷うこと無く、モンベルショップに取り寄せ注文しました。
ジャーン!どうすか~イカしてるでしょ~

エマージェンシーオレンジの素材がバリスティッククロス、黒い部分が通気性の良いナイロン生地で、内部には防護繊維が仕込んである。

その原理は、チェンソーが布地の表面を切り裂くと、内部の防護繊維の層がチェンソーの刃に絡みついて、一瞬にして回転を停止させる、というもの。他メーカーですが、こんな感じ。
■ファナージャパン
チェンソープロテクションとは?

ポケットは、左右のハンドポケットと、腿部左右のカーゴポケット。ウエストはナイロンベルトのバックルにベルトループも付く。

裏側の縦長ジッパーはベンチレーションのためのもの。開口部はナイロンメッシュで裏打ちされゴミが入らないようになっています。また、黒い部分のナイロン生地も通気性良好。国内の林業研修所でテストしながら開発したらしく、海外製に比べ、特に軽量化と通気性に配慮したとの売り込みです。

欧州規格であるEN 381-5のClass1を取得してある。これは、カッターの速度が20m/秒までなら大丈夫ですよ、という基準で、チェンソー用防護衣として一般的なもの。現在日本で発売されている防護衣(ズボン・チャプス)はほとんどがClass1です。

Sサイズの股下は実測73センチ。基本的に裾上げが出来ないパンツなので、股下長でサイズを選ぶことになります。ウエストサイズは人間のほうがパンツに合わせてください(笑)サイズはXSからXLまで5サイズあり、股下長さはそれぞれ、XS:70センチ、S:73センチ、M:76センチ、L:79センチ、XL:82センチと推測されます。こちらのサイズ表も参考にしてください。

海外製には無いXSサイズがあるのは、林業女子にも良さそうですね。

防護衣の「重い」「暑い」といったイメージを払拭する上々の出来栄え。林業作業の安全確保が重要視されている今日、これはヒット商品になりそうですね。

モンベルさんも出来るだけ早く、上着、ヘルメット、防振手袋、安全ブーツの一式をラインナップされると良いと思います。今のところ防護パンツしか商品化されていないので、ブーツは他メーカーのもので間に合わせました。

長くなったので、ブーツについては次回ということで。

2017年3月5日日曜日

冬眠明け

イヤハヤ南友、5ヶ月ぶりの更新である。ずっと冬眠してました。

気がついたら、いつもの陽だまりの丘にフクジュソウが満開。3月の解禁になっていたのですね。

あいにく今週はあれこれあって川には立てず。まだ春は明けたばかりだし、焦る必要はありません。ですが、準備は怠ること無く、フィッシングベストを自分なりにアレンジした次第。自画自賛ながら良いアイデアもあるので、なるほど!と思った方はマネしてもイイですよ。

1 カーテン金具のロッドキーパー
題名の通りである。自宅のカーテンレールから勝手に1本拝借したことは、家族にはナイショだ。

たいていのフライベストにはロッドキーパーが付いてますが、ロッドエンドを引っ掛けてからマジックテープで押さえる構造で、これだとロッドが正面を交差するので胸元にカメラがあると邪魔でしょうがない。しかしこれなら、ストリッピングガイドを引っ掛けるだけの1発で済むというわけ。
ロッドを引っ掛けるとこんな具合。実に使い勝手が良い。

このアイデア、実は10年以上前のフォックスファーのベストに同様なフックが備わっていたもののパクリです。今のフォックスにこの機能を備えたベストが無いのは、あんまりヒットしなかったからでしょうか?


2 ドライシェイクを磁石で固定する
昨シーズンからモンベルのベストを使ってますが、このベストのウリのひとつが巾着式のドライシェイクフォルダーを備えていること。ところが、この巾着の締りがゆるく、ボトルを紛失しやしまいかと気になって仕方がありませんでした。

そこでちょいと工作を。ボトルの底部に接着剤を流し込んで、100均の強力ネオジウムマグネット(薄手)を固定。写真のように、鉄の台座の上で接着剤(セメダイン・スーパーX)が固まるのを待ちます。ついでに、フィルムケース+カルピスの蓋で小さめのボトルも作ってみました。カルピス蓋のボトルは定番ですね。
で、ベストのほうに2枚のネオジウムマグネットを布を挟んで取り付ければ完成。プラケースの厚みで磁力も適度に弱まって、くっつき方が強すぎず弱すぎず、出し入れもスムーズで落下する心配も無い。これで安心してドライシェイクを持ち歩けるゾ!


3 正面の大ポケット内に用具を吊るす
モンベルベストのもうひとつの特徴として、正面左右のジッパー式ポケットがあります。縦に大きく開くポケットでアクセスしやすく中はたいへん広い、しかしマチが無いのでフライボックスのような厚みのあるものは入れにくい。

なんとか有効活用しようと考えたあげく、フォーセップスとペースト状フロータントをポケット内に吊り下げることにしました。フォーセップスはこれまで何度も釣り場で無くしたことがあり、これで無くすことも引っ掛けることも無く、出し入れも迅速に行うことができます。うーん、イイ感じで自分の使い方に馴染んできたゾ(←自己満足)


というわけで、来週あたりからボチボチ始動して参りますよ。