フライフィッシング時々アウトドアのち道具ヲタクところによって激辛B級グルメもあるでしょう

2015年2月8日日曜日

ああ、、、ニュージーランドの鱒釣り(その1 準備編)

岩手の渓流解禁まで、あと1ヶ月を切りましたね!とはいえ、3月早々の岩手は雪だらけ、本格的な釣りシーズンまでにはしばらく間がありそうです。

なわけで、ヲタクな道具話にも飽きてきたことだし、今まさに夏真っ盛りのニュージーランドの釣り旅をなつかしく振り返ってみたいと思います。というのも、そのうちまた行くだろうし、ニュージーランドって日本と違って都市化や大規模開発とは縁がないので、何年たっても釣り場の様子が変わらない。併せて、鱒釣りが楽しめる環境づくりに国レベルで取り組んでいることなど、振り返りながら整理してみようという趣向です。

ニュージーランドにはこれまで3回行きました。治安がイイし、何より大きな鱒が確実に釣れるので良い思い出ばかりですが、お話するのは2012年1月の旅、1月1日に日本を発って1月10日に帰国の行程でした。
1月1日:出国 → オークランド
1月2日:オークランド → クイーンズタウン → ワナカに車で移動
1月3日:ハウェア湖とハンター川(ガイド付)
1月4日:ワナカ湖 → ゴアに車で移動
1月5日:マタウラ川(ガイド付)
1月6日:オレティ川(ガイド付)
1月7日:マタウラ川
1月8日:マタウラ川 → クイーンズタウンに車で移動
1月9日:クイーンズタウン → オークランド
1月10日:オークランド → 帰国


さて今回は、この釣り旅のために必要となった、国内の旅とは異なった準備を整理しておきます。

■フィッシングライセンスの手配
いわゆる主要先進国ならどの国にも必ず、釣りやハンティングを司る行政機関があって、レクリェーションとして釣りに親しむ国民の権利を国が保証し、釣り場管理に努めているわけですが、恥ずかしいことに先進国の中で唯一、日本という国には遊漁を司る行政組織が存在していません(注)。で、内水面の釣りはというと、各河川の漁業協同組合に既得権があり、漁協に所属していない大多数の釣り人は、漁協に遊漁券という形でお金を払ってその権利を一部使用させてもらっている、というのが法律上の位置づけとなっています。
※注:水産庁資源管理部漁業調整課に「遊漁室」という部署はあるが、遊漁室に内水面管理の権限は無い。

当然ニュージーランドにも、従前から国レベルで釣り場管理の仕組みが機能しているわけですが、国の方針として「小さな政府」を目指しているニュージーランドでは、従来は政府直轄の行政組織であったフィッシュ&ゲーム局が「Fish & Game New Zealand」としてNPO化されています。ニュージーランドが鱒釣りのメッカとして世界中に名を馳せているのも、単に自然環境や人口密度の違いではなく、まずは、こうした釣り場管理の基盤がしっかり機能しているからである、ということを理解すべきでしょう。

逆にいえば、日本では内水面の釣りは漁業協同組合の既得権にゆだねられ、釣り人の権利はまったく保証されていないのが実情、と言ってよいでしょう。たかが「遊び」に法整備など不要、という考え方でしょうか?もちろん、釣り場管理に熱意があり、地域活性化などを目的にこれに真摯に取り組む漁協もありますが、しばしば、ダム建設補償金の受け皿といった、単なる既得権団体に成り下がっている漁協が少なからずあることも、また事実です。
まあ、国内の話(愚痴)はこのくらいにしておいて、ニュージーランドの河川・湖沼で鱒釣りをするには、まずフィッシングライセンスを入手しないことには違反行為ということになります。事実、釣りをしていても「Fish & Game New Zealand」の職員がライセンスの確認にやってきます。ガイドといっしょであれば顔パスで済みますが、単独で釣りをしていれば、釣っている最中でも川から上がってライセンスを提示することが求められます。もしライセンス不携帯の場合彼らには、釣具の没収、さらには警察への身柄引き渡しといった強力な権限が与えられています。

ライセンスはニュージーランドに着いてからでも、スポーツショップや釣具店で購入できますが、そうした時間が無い、あるいは時間がもったいないという向きは、日本からでもネット購入することもできます。今回はネットの事前購入で臨みました。購入は以下のサイトから。
※友人から指摘がありました。今シーズン(2014)からライセンスは釣具店・スポーツショップでは購入できず、全て「Fish & Game New Zealand」HPからのネット購入となったそうです。ご注意ください!

「Fish & Game New Zealand」
http://www.fishandgame.org.nz/

ライセンスは現在、シーズン券、 冬期間券、1日券の3種類があるようです。以前は週券や月券もあったはずですが、面倒くさいのでヤメたみたいです。一週間の釣りでもシーズン券になってしなうので123NZドル、現在の為替レートで1万円ほどになります。ムムム、短期滞在の海外からの釣り客には結構なお値段ですね。。。

このライセンスがあれば、国内どこでも鱒釣りが楽しめるわけですが、ただし、北島中央のタウポ湖及びこの湖に流入する河川だけは、「Fish & Game New Zealand」が発行するライセンスは通用せず、「タウポエリア」として別扱いになっているので注意が必要です。

ネットで購入したライセンスは、遅滞なく日本の住所に郵送されてきますが、もし、出国するまでにライセンスの郵送が間に合わない場合は、ネット購入したページをプリントアウトしたものを携行しても良いことになっています。

ライセンスといっしょにレギュレーション(釣りのルールブック)も送られてきます。項目は多岐に渡り、国内共通の事項と、地区ごと、河川ごとのルール(例えば、この川なら何匹までキープして良いか、など)が細かく記載されています。行きの飛行機などヒマな時間に目を通しておくと良いです。もっとも、通常のフライフィッシングをする限りにおいては特に大きな問題は無いハズです。英語が苦手な方には、こちらのサイトあたりが参考になるかと思います。

「ニュージーランドのライセンスとマナー」
http://nztsuri.qee.jp/freshwater/flyfising/fishing-rule.html


■ガイドの手配
見知らぬ土地での釣り旅、しかも限られた時間の中で釣果を得るには、ガイドの果たす役割は大きなものがあります。またガイドには、釣りのルールを守らせること、及び釣り人の安全を確保する、という務めもあるでしょう。今回は同行した東京の友人のススメに従い、トラウトアンドキングさんを通じて紹介、及び手配をお願いしました。

トラウトアンドキングさんはニュージーランドにも、オリジナルのフィッシングツアーを多数用意されていますが、我々はこれを利用せず航空券やレンタカーは自分たちで手配する代わりに、ガイドだけは信頼の置ける方をご紹介していただいた格好です。当然、手数料がかかって割高になってしまいましたが、これだけは失敗したくないのでケチらないことにした次第です。結果的にはこれで良かったと思っています。
ガイドは宿からの送り迎えや昼食の準備だけでなく、最初のハウェア湖ではエンジン付きボートも出してくれましたが、ガイド料は1人1日5万円ほど(後述)かかる計算です。けっこうしますね。ガイド1人に客が2名なので割り勘にはなりますが。


■タックルはどうしたか?
ロッドは、9フィート6番のシングルハンドが一般的です。これ1本で、よほどの大場所や湖の遠投でない限りOKでしょう。ただ、ドライフライを繊細に投げたいときはやや重いですし、湖で遠投を続けるときや強風用の予備も、ということで、
1)9フィート6番(4ピース)
2)9フィート5番(4ピース)
3)11.5フィート7番・スイッチ(6ピース)
の3本と、これに対応したリールを準備しました。

マルチピースにしたのは機内持込みをするためです。とにかく航空機の荷物の扱いときたら目を覆いたくなるほど乱暴なもの。私はまだ被害に会ったことはありませんが、預けたロッドケースがケースごと折れて出てくることも珍しくないそうです。また、飛行機の乗り継ぎの際にも荷物が行方不明になることも日常茶飯事。自分も以前、イエローストーン国立公園への釣りでロッドをロストし、空港に半日以上足止めを食らったことがあります。

実は今回の旅でも、クイーンズタウンで合流した後発隊の荷物が届かず、結局、2日遅れで宿に届いたのですが、その面々は当面、私の予備のタックルで釣るハメになったのでした。そんなわけで、とにかくマルチピースで機内持込みが絶対オススメ。ちなみに、9フィートの場合3ピースでは、長さ超過で機内持込みができません。

あと、よく知られていることですが、 ニュージーランドでは2008年10月1日からフェルト底のウェイダーは使用禁止となっています。例の、デディーモという珪藻の一種の拡大を防ぐための措置ですが、入国の際、濡れた釣具も持ち込み禁止となるので、しっかり洗って乾かす、又はこの際、ゴム底のウェディングシューズを新調することが必要です。アクアステルスのソールも、やはりフェルト底より滑ります。深場の急流では慎重なウェディングを心がけましょう。今回ではありませんが以前のニュージーランド釣行のとき、体の軽い私は深場のウェディングで流されてしまい、あやうく溺れかかった経験がありますww、このときは、ガイドが岩場から手を差し伸べてくれて助かったのですが、首から下げていた一眼レフカメラをオシャカにしてしましました。ともかく、命だけは助かって良かったです(苦笑)


■フライの準備は?
それこそ千差万別、出発前は妄想が膨らんで、あれこれ巻いて準備するわけですが、ひとしきりドライとニンフを準備したら、あとは現地のショップで購入するのも悪くありません。Webの情報とてリアルタイムとはいきませんし、河川や気象条件の違いもあります。もっともガイドがいれば、フライはマッチしたものを準備してくれますが。
釣り好きの国民性とみえて、どこの町のスポーツショップにもフライの道具と完成フライが置いてありますが、どれだけ釣り場に精通しているかはショップ次第。今回の旅で最高にオススメのショップは、クイーンズタウンからゴアに行く途中のAthol(アソル)という小さな町(というか、集落)にある、「Stu's Orgasmic World Famous Fishing Shop」です。

「Stu's Orgasmic World Famous Fishing Shop」
http://www.stusflyshop.com/
住所:2 Albion Street Athol 9793

分かりにくいので、地図と店の写真も載せておきますね。すごいヘンピなところにあります。
なんでも、東南アジアで現地の女工さんを指導してフライを巻かせているのだとか。上の写真のとおり種類も極めて豊富、フックは全てティムコを使用しており信頼して良いと思われます。わざわざニュージーランドに遠征したのに、得体のしれない貧弱なフックで大物を取り逃したら、それこそ一生後悔しますよ。ショップには小物類も充実していますし、買い物ついでにリアルタイムの釣り場情報も手に入れることができます。クイーンズタウンから南下する場合は必ず立ち寄ることを強くオススメします。


■で、結局いくらかかった?
今回の経費は、タックルを除けば以下の通りとなりました。いずれも万円単位で丸めています。

航空券        23万円 NZ国内便込み
NZ宿泊         5万円 モーテル
現地費用      4万円 食事飲み代
レンタカー     4万円 割り勘
FFガイド       8万円 合計3日間・割り勘
ライセンス     1万円 123NZドル
おみやげ      2万円 手ブラでは帰国できん   
国内交通・宿泊    3万円 岩手から東京往復
(合計)       50万円

けっこうかかってますね(汗)、ハイシーズンなので航空券も安くないですし、ガイド代が大きいです。


さて、ずいぶん長くなりましたが、次回から釣れた鱒の写真など自慢させていただきます(笑)

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