フライフィッシング時々アウトドアのち道具ヲタクところによって激辛B級グルメもあるでしょう

2015年2月15日日曜日

ああ、、、ニュージーランドの鱒釣り(その3 釣りバカの町ゴア マタウラ川編)

~世界一のブラウン鱒の川・・・釣れ過ぎ注意!~
ハウェア湖を釣った翌日、おととい来た道を取って返し、クイーンズタウン空港で後発の2名と合流。これでいよいよ、本格的に楽しい釣り旅の始まりだ、と空港ロビー出迎えに行ったところトラブル発生。飛行機は到着しているのに当の2名が出てこない。空港の係員に尋ねたところ、「ジャパニーズが中で何やらモメている」とのヤレヤレな情報。1時間以上経ってからようやく出てきた2名によると、飛行機の乗り継ぎの際に荷物をどっかにやられたらしい。違う国まで行ってしまった可能性もあり、預けた荷物は釣具も含め全てロスト。見つかり次第、宿に届ける(いつになるか分からないが)との確約をとりつけ、気を取り直して南部の街Gore(ゴア)に向かって出発。まあ、釣具なら自分に予備があるし、ウェーダーはガイドに借りることにしよう。下着のパンツは2・3日裏返して履けば良い、ってことでww

南島の南端内陸部に位置するGore(ゴア)は、国道1号線と鉄道が横切る、周辺の農産物の集積地である。と同時に、地域をあげて鱒釣り振興に取り組んでいることでつとに有名、我々鱒釣りにとっては「聖地」というべき約束の地である。町の中心にある公園には、上の写真のようなブラウン鱒の巨大モニュメントがそびえ立っており、下のプレートにはゴアの町を自ら称して、 'brown trout capital of the world'(ブラウン鱒世界一)と大きく出たもんだww

いや、なにも大げさな話ではなく、この公園のすぐそばにあるマタウラ川を国道1号線の橋から見下ろせば、いるいる!50センチクラスの鱒が何本も泳いでいるのが見える、町のど真ん中でだ、もちろん釣ってイイ場所だ。もっとも、平日昼間から鱒釣りに血筋を上げているのは他所からの釣り人で、地元民は仕事を終えた夕方、今日のオカズを1本釣るかぁ、と三々五々余裕で川にお出ましになる、そんなお土地柄。
天気は上々、クイーンズタウンを出てからしばらくは、ワカティプ湖岸の素晴らしい景色の中を疾走する。ああ、美しい!道路の適度な曲がり具合がこれまたナイス。
途中、フライショップ「Stu's Orgasmic World Famous Fishing Shop」に立ち寄ってフライと釣り場情報をゲット、さらに2時間以上ひたすら走ってようやく到着した頃には、18時をまわっていた。

と、ここで第2のトラブル発生!酒屋が18時で閉まってしまったのである。ニュージーランドでは条例だか法律だか分からないが、18時で酒屋は閉まってビールの販売は禁止、あと、土日も酒屋の営業が規制されているのである。これまでの経験上、ニュージーランド人はかなり喉の乾きやすい人種であるらしく、この規制のため、金曜日の夕方になると酒屋の前に大きな「樽」をかかえて行列する姿が見られる。缶やビンだけでなく、ビールは酒屋で量り売りがポピュラーなのだ。しっかし、週末のバーベキューのときに飲むのだろうが、ほんとにあんなに飲むのかと、樽の大きさにビビること請け合いである。

ビールが飲めない!と思ったK氏、ほとんど切れかかっている。そもそも荷物をロストして機嫌が悪かったところにこの最悪の事態だ。おまけにワナカの宿にE氏が、買ったばかりの缶ビール2パックを冷蔵庫に置き忘れてきたことが発覚!事の重大さに一触即発かと思われたが、レストランに行けばビールは飲めることが分かり、とりあえず事態の収拾が図られたのである(爆)っつたく、どんだけビールが好きなんだよ。


さて、翌日からさっそく、ガイドをつけてマタウラ川である。といっても、町から車で20分ほど下流に行っただけ。ガイドのとっときの場所というよりは、そこら辺の入りやすい場所といった印象。。。

天候はぐずつき気味だが、ガイドの指示どおり、フェザントテール14番のダブルニンフで適当な場所を狙う。ダブルニンフとは、通常のティペットに結んだフライのベンドに、さらにティペットを継ぎ足してニンフを結んだ仕掛けのこと。マタウラ川はメイフライの生息密度が極めて高く、鱒は流下するニンフを次々と、水といっしょに吸い込むように捕食している。そのため、同じようなニンフを2本付け、当たりの確率を高める作戦だ。そして、水深の1.5倍程度の位置にヤーンのインジケーターを取り付け、準備完了。

ちなみにダブルニンフは、深い場所に小さなフライを流すときにも多用される。このときは、重り代わりの大型のニンフを通常のティペットに、 「食わせ」用の小ニンフを継ぎ足しティペットに結ぶことになる。これは、ニュージーランドではショット(重り)の使用が禁止されていることによる常套手段。ショット禁止はおそらく、鉛公害を防止する意味があるのでしょう。
ライズも無いので、ガイドに指示された適当な瀬頭を半信半疑でドリフトする。と、何投もしないうちにさっそくヒット!流すポイントはヤマメやイワナと大差無い。違うのは鱒のサイズがふたまわり大きいこと。

小雨の中、鱒の動きは見えないが、水中には相当数のニンフが流れ、鱒の食いが立っているようだ。釣り上げた鱒の口の中を覗きこむと、口腔内にニンフが、それもフェザントテールそっくりなスリムなメイフライがたくさん付着している。フライは小さいが、鱒はこれをたくさん食べて大きく成長している、というわけ。
小雨が上がって明るくなってきた。ドリフトがナチュラルでないとさすがに食ってこない。が、うまく流せば、飽きないくらいの頻度でヒットしてくる。※注:写真はブロガー本人なので、顔はお見せできません(笑)

もちろん日本と違って成魚放流など一切しておらず、全て自然繁殖なのに、鱒の生息密度・サイズとも驚くほどレベルが高い。マタウラ川のメイフライの豊富さあってのこと。
とがった顔をした50センチ。40センチからこのくらいのサイズが良く釣れる。ちなみに、60センチ級と思われる鱒も掛けたが、流れに乗られて突っ走られると止めることができず、小さなフックが伸びてロストしてしまった。他の面々も同様なやりとりで大型を取り逃がしている模様。この川で型を取るには、小さくても強度の高いフックと、掛けてからの「寄せ」のテクニックが重要となってくる。
比類なく緻密なブラウン鱒の美しさ。
 
飛行機で荷物をロストしたA氏も、すっかりそのことは忘れて快調に鱒を掛ける。
ブラウンは個体差が大きい。この個体はヤングのせいか、幼い顔つきで白っぽい体色。
今日のガイドは、ゴア在住のDavid Murray-Orr(デイビッド・マリーオール)氏、周辺ガイドのリーダー的存在だ。鱒が小さく見えますが、ガイドの体格がデカいだけで、鱒は50センチあります。
何かに取り憑かれたように、暗くなるまで一心不乱に釣り続けるE氏。この釣り欲の深さが、これまでしばしば良い結果をもたらしてきたww


翌日はオレティ川への遠征でしたが、その翌日はガイド無しで再びマタウラ川へ。というのも、多少の密度の違いこそあれ、ゴアの町上下流ならどこでも鱒は居ますから。先行者争いや、えげつない場所取りとも無縁の恵まれた川。
ギラギラしながら鱒が寄ってきた。K氏が良い型をゲットするところだ。飛行機でロストした荷物も、翌日には無事に宿に届き、自分のタックルで釣ることができてひと安心。
個体差の激しいブラウン鱒でも、これは標準的なタイプ。体の斑点模様は、水中で外敵からの保護色になっている。
深場を攻めるA氏。深く立ち込んだ場所では掛けてからが難しい。。。
ロングキャストで大場所を狙うE氏。のびのびと、鱒釣りを思うがままに堪能している。
旅の終盤に掛けたハンサムな50センチ級。少し深い場所だったので、フェザントテールに代えてスリムで重いコバージョンを使ったら、これが当たりだった。
マタウラ川の周辺は、牛や馬の牧場になっている場所が多い。馬は愛らしくてイイのだが、牛の群れを横切っていくのは危険だ。マタウラ川の釣り最大の難関は牛かもしれませんww

最後にゴアの町についてメモしておきます。
1)宿(モーテル)はたくさんあり、どれも他所からの釣り人を意識しています。今回利用したのは、町中から歩いて至近のOakleigh Motel、日本からHPでネット予約してから行きました。部屋は広いし、キッチンや冷蔵庫もついて、部屋の真ん前に駐車できるし、申し分なかったです。
2)町では、スーパー、ガソリンスタンド、レストラン、酒屋などひと通り何でも揃います。たしか、マクドもサブウェイもあったはず。スーパーは20時頃まで営業していますが、上記のとおり酒屋は(ガソリンスタンドも)18時には閉まるのでご注意を。これは、ニュージーランドのどこへ行っても同じです。よほどの大都市でない限り、24時間営業の店(コンビニ)なんてありません。
3)スポーツショップも3軒ほどあり、フライの補充やガイドの手配も可能ですが、17時か18時には閉まってしまうし品揃えも貧弱なので、やはり上記の「Stu's」がオススメ。
4)レストランも数軒あり、バーを備えていたりして悪くないのですが、スーパーの食品がどれも安く、特に牛肉・ラム肉は日本からすれば激安なので、これらを宿でステーキにして、買ってきたビールで好きなだけやるのがオススメ。あと、チーズなど乳製品も安いです。朝食はシリアルがポピュラーで種類も豊富です。
5)ニュージーランドのネット環境はかなり行き届いており、多くの宿でプリペイド式(時間制限)の無線LANが使用できます。プリペイドカードにパスワードが記載してある方式。回線品質も、たぶんADSLだと思いますが、まあまあ速いです。

いずれにせよ、また行きたくて行きたくて仕方がありません。これまで3回ニュージーランドに行った中で、ゴアは最も安定して鱒が釣れる、川とともに暮らす穏やかな町です。できれば2週間ぐらい、のんびりこの町で過ごしてみたい。釣りに飽きたら、南端の南極探検の拠点インバカーギルまで出かけるのも悪くないです。そして、マタウラ川がこんなにも鱒が豊かな秘密を、もっと知りたいと思いました。
ゴアの次に好きな町は、南島北端部に位置するNelson(ネルソン)の町でしょうか。あそこはゴアと違って海産物が美味かった、もちろん鱒釣りも堪能できました。

いつの日かたっぷり時間をとって、ゴアからネルソンまでニュージーランド南島の西海岸を縦断する釣り旅をしてみたい。。。これが自分のささやかな夢です。

次回は、大物狙いで西部のオレティ川に挑んだ様子をまとめてみます。

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