フライフィッシング時々アウトドアのち道具ヲタクところによって激辛B級グルメもあるでしょう

2015年2月22日日曜日

ああ、、、ニュージーランドの鱒釣り(その4 荒野の大河 オレティ川編)

~一発勝負!大物ブラウン・トラウトの川~
さて、ニュージーランド鱒釣の思い出も締めくくり、今回は南島西部のオレティ川(Oreti River)を振り返ってみます。

オレティ川は、ゴアから90キロほど西に行ったところにあります。周りに集落も何も無く、荒野の大河といった趣きです。出国前に、杉坂さんのHPでさんざんイメトレしていました。HPでは(例によって)大物ブラウン連発です(笑)、まあ、我々が杉坂さんと同じように釣れるわけもありませんが、あんだけ大物の数釣りできるのならその半分でも十分だよね~、 という甘い見込みもあって、ガイドにオレティも案内してくれるよう事前にお願いしていたのでした。

それに、ゴアのマタウラ川がいくら釣れるといって、宿から30分以内の場所で釣れちゃいますから、毎日これじゃ変わり映えがしない。やろうと思えば、宿でウェーダー履いてそのままドタドタ川まで歩いて行っても釣れますから。この機会に違った釣りもチャレンジしておきたいな、と。
マタウラ川の写真と見比べてみれば分かるのですが、オレティ川は河原がとても広く、お察しのとおり相当な暴れ川で、春には雪解け水で溢れかえってとても釣りにならず、水位が低くなる夏場がチャンスですが、今度は水の透明度がわざわいして鱒の警戒心が強くなり、これまた難しい釣りになる川です。

鱒の生息密度はけっして高くないので、あてずっぽに投げ続けても徒労に終わる。やはりここでも、ガイドの目を頼りにサイトフィッシングのスタイルになります。
一行の4人は2人ずつに分かれての釣行。私はA氏とペアです。ガイドの後ろに付いて、偏光グラスでいっしょに鱒を探すのですが、相変わらずこれが難しい。ポイントとポイントの区間が長いので、鱒を探して延々と歩き続けます。
右だ、左だ、とガイドの指示通りに投げる。それも毎回15m以上投げ続けるので、かなりハードです。風もけっこうあります。もちろん、乱暴なプレゼンテーションは即アウト。この季節、鱒はテリストリアルを見ているそうで、ドライフライオンリーの釣りでした。
やった!突如として水面がボコッと割れてヒット!!掛かったブラウン鱒はものすごいトルクでラインを引きずり出していきます。岸辺の障害物に入られると一発で切られてしまうので、フロロの3.5Xとリールのドラグを信じてなんとか踏ん張る。
この筋肉質な魚体を見よ!ターボ付きディーゼルエンジンのごときトルクフルなファイトの源です。
首尾よくもう1本掛けることができました。私は半日釣って当たりはたったの3回、うち2本を取ったという結果です。ずっと集中力をキープするのがたいへんでした。
相手をしてくれた鱒に感謝してリリース。

もう一組のK氏・E氏組も、数は出ませんでしたが型はバッチリ。E氏が掛けた、これぞオレティと言うべき70センチ級です。惚れ惚れするようなコンディションのブラウン鱒。
もちろんK氏も負けずに良型をキャッチ。

オレティは大物の出る川として有名らしく、地元の釣り人も多いので、鱒の数は多くない割にけっこうスレている感じです。風の強い日も多く、私達が釣った日はこれでも恵まれた条件だったようです。それでもようやく数本、それもガイドの助けを借りての結果ですから、なかなか手ごわい川でした。あと、鱒を探してゴロタ石の河原を延々と歩くのでブーツフットウェーダーは不可、キチンとしたウェディングシューズで臨まないと足が死んでしまいます。

川の水は澄みわたって極めて美しいので、ゴアに滞在中に時間があったら、またチャレンジしてみたいと思いました。


さて、冬場のブログ埋めにニュージーランドの思い出話をしてきましたが、気がついたら来週日曜日は3月1日、岩手の渓流釣りが解禁ですね!とはいえ今しばらくは、渓は冬の様相から抜け切らないでしょう。さきほどベストの中身など確認し、解禁の準備は整ったところです。ボイボチと今シーズン始動して参りますよ。

2015年2月15日日曜日

ああ、、、ニュージーランドの鱒釣り(その3 釣りバカの町ゴア マタウラ川編)

~世界一のブラウン鱒の川・・・釣れ過ぎ注意!~
ハウェア湖を釣った翌日、おととい来た道を取って返し、クイーンズタウン空港で後発の2名と合流。これでいよいよ、本格的に楽しい釣り旅の始まりだ、と空港ロビー出迎えに行ったところトラブル発生。飛行機は到着しているのに当の2名が出てこない。空港の係員に尋ねたところ、「ジャパニーズが中で何やらモメている」とのヤレヤレな情報。1時間以上経ってからようやく出てきた2名によると、飛行機の乗り継ぎの際に荷物をどっかにやられたらしい。違う国まで行ってしまった可能性もあり、預けた荷物は釣具も含め全てロスト。見つかり次第、宿に届ける(いつになるか分からないが)との確約をとりつけ、気を取り直して南部の街Gore(ゴア)に向かって出発。まあ、釣具なら自分に予備があるし、ウェーダーはガイドに借りることにしよう。下着のパンツは2・3日裏返して履けば良い、ってことでww

南島の南端内陸部に位置するGore(ゴア)は、国道1号線と鉄道が横切る、周辺の農産物の集積地である。と同時に、地域をあげて鱒釣り振興に取り組んでいることでつとに有名、我々鱒釣りにとっては「聖地」というべき約束の地である。町の中心にある公園には、上の写真のようなブラウン鱒の巨大モニュメントがそびえ立っており、下のプレートにはゴアの町を自ら称して、 'brown trout capital of the world'(ブラウン鱒世界一)と大きく出たもんだww

いや、なにも大げさな話ではなく、この公園のすぐそばにあるマタウラ川を国道1号線の橋から見下ろせば、いるいる!50センチクラスの鱒が何本も泳いでいるのが見える、町のど真ん中でだ、もちろん釣ってイイ場所だ。もっとも、平日昼間から鱒釣りに血筋を上げているのは他所からの釣り人で、地元民は仕事を終えた夕方、今日のオカズを1本釣るかぁ、と三々五々余裕で川にお出ましになる、そんなお土地柄。
天気は上々、クイーンズタウンを出てからしばらくは、ワカティプ湖岸の素晴らしい景色の中を疾走する。ああ、美しい!道路の適度な曲がり具合がこれまたナイス。
途中、フライショップ「Stu's Orgasmic World Famous Fishing Shop」に立ち寄ってフライと釣り場情報をゲット、さらに2時間以上ひたすら走ってようやく到着した頃には、18時をまわっていた。

と、ここで第2のトラブル発生!酒屋が18時で閉まってしまったのである。ニュージーランドでは条例だか法律だか分からないが、18時で酒屋は閉まってビールの販売は禁止、あと、土日も酒屋の営業が規制されているのである。これまでの経験上、ニュージーランド人はかなり喉の乾きやすい人種であるらしく、この規制のため、金曜日の夕方になると酒屋の前に大きな「樽」をかかえて行列する姿が見られる。缶やビンだけでなく、ビールは酒屋で量り売りがポピュラーなのだ。しっかし、週末のバーベキューのときに飲むのだろうが、ほんとにあんなに飲むのかと、樽の大きさにビビること請け合いである。

ビールが飲めない!と思ったK氏、ほとんど切れかかっている。そもそも荷物をロストして機嫌が悪かったところにこの最悪の事態だ。おまけにワナカの宿にE氏が、買ったばかりの缶ビール2パックを冷蔵庫に置き忘れてきたことが発覚!事の重大さに一触即発かと思われたが、レストランに行けばビールは飲めることが分かり、とりあえず事態の収拾が図られたのである(爆)っつたく、どんだけビールが好きなんだよ。


さて、翌日からさっそく、ガイドをつけてマタウラ川である。といっても、町から車で20分ほど下流に行っただけ。ガイドのとっときの場所というよりは、そこら辺の入りやすい場所といった印象。。。

天候はぐずつき気味だが、ガイドの指示どおり、フェザントテール14番のダブルニンフで適当な場所を狙う。ダブルニンフとは、通常のティペットに結んだフライのベンドに、さらにティペットを継ぎ足してニンフを結んだ仕掛けのこと。マタウラ川はメイフライの生息密度が極めて高く、鱒は流下するニンフを次々と、水といっしょに吸い込むように捕食している。そのため、同じようなニンフを2本付け、当たりの確率を高める作戦だ。そして、水深の1.5倍程度の位置にヤーンのインジケーターを取り付け、準備完了。

ちなみにダブルニンフは、深い場所に小さなフライを流すときにも多用される。このときは、重り代わりの大型のニンフを通常のティペットに、 「食わせ」用の小ニンフを継ぎ足しティペットに結ぶことになる。これは、ニュージーランドではショット(重り)の使用が禁止されていることによる常套手段。ショット禁止はおそらく、鉛公害を防止する意味があるのでしょう。
ライズも無いので、ガイドに指示された適当な瀬頭を半信半疑でドリフトする。と、何投もしないうちにさっそくヒット!流すポイントはヤマメやイワナと大差無い。違うのは鱒のサイズがふたまわり大きいこと。

小雨の中、鱒の動きは見えないが、水中には相当数のニンフが流れ、鱒の食いが立っているようだ。釣り上げた鱒の口の中を覗きこむと、口腔内にニンフが、それもフェザントテールそっくりなスリムなメイフライがたくさん付着している。フライは小さいが、鱒はこれをたくさん食べて大きく成長している、というわけ。
小雨が上がって明るくなってきた。ドリフトがナチュラルでないとさすがに食ってこない。が、うまく流せば、飽きないくらいの頻度でヒットしてくる。※注:写真はブロガー本人なので、顔はお見せできません(笑)

もちろん日本と違って成魚放流など一切しておらず、全て自然繁殖なのに、鱒の生息密度・サイズとも驚くほどレベルが高い。マタウラ川のメイフライの豊富さあってのこと。
とがった顔をした50センチ。40センチからこのくらいのサイズが良く釣れる。ちなみに、60センチ級と思われる鱒も掛けたが、流れに乗られて突っ走られると止めることができず、小さなフックが伸びてロストしてしまった。他の面々も同様なやりとりで大型を取り逃がしている模様。この川で型を取るには、小さくても強度の高いフックと、掛けてからの「寄せ」のテクニックが重要となってくる。
比類なく緻密なブラウン鱒の美しさ。
 
飛行機で荷物をロストしたA氏も、すっかりそのことは忘れて快調に鱒を掛ける。
ブラウンは個体差が大きい。この個体はヤングのせいか、幼い顔つきで白っぽい体色。
今日のガイドは、ゴア在住のDavid Murray-Orr(デイビッド・マリーオール)氏、周辺ガイドのリーダー的存在だ。鱒が小さく見えますが、ガイドの体格がデカいだけで、鱒は50センチあります。
何かに取り憑かれたように、暗くなるまで一心不乱に釣り続けるE氏。この釣り欲の深さが、これまでしばしば良い結果をもたらしてきたww


翌日はオレティ川への遠征でしたが、その翌日はガイド無しで再びマタウラ川へ。というのも、多少の密度の違いこそあれ、ゴアの町上下流ならどこでも鱒は居ますから。先行者争いや、えげつない場所取りとも無縁の恵まれた川。
ギラギラしながら鱒が寄ってきた。K氏が良い型をゲットするところだ。飛行機でロストした荷物も、翌日には無事に宿に届き、自分のタックルで釣ることができてひと安心。
個体差の激しいブラウン鱒でも、これは標準的なタイプ。体の斑点模様は、水中で外敵からの保護色になっている。
深場を攻めるA氏。深く立ち込んだ場所では掛けてからが難しい。。。
ロングキャストで大場所を狙うE氏。のびのびと、鱒釣りを思うがままに堪能している。
旅の終盤に掛けたハンサムな50センチ級。少し深い場所だったので、フェザントテールに代えてスリムで重いコバージョンを使ったら、これが当たりだった。
マタウラ川の周辺は、牛や馬の牧場になっている場所が多い。馬は愛らしくてイイのだが、牛の群れを横切っていくのは危険だ。マタウラ川の釣り最大の難関は牛かもしれませんww

最後にゴアの町についてメモしておきます。
1)宿(モーテル)はたくさんあり、どれも他所からの釣り人を意識しています。今回利用したのは、町中から歩いて至近のOakleigh Motel、日本からHPでネット予約してから行きました。部屋は広いし、キッチンや冷蔵庫もついて、部屋の真ん前に駐車できるし、申し分なかったです。
2)町では、スーパー、ガソリンスタンド、レストラン、酒屋などひと通り何でも揃います。たしか、マクドもサブウェイもあったはず。スーパーは20時頃まで営業していますが、上記のとおり酒屋は(ガソリンスタンドも)18時には閉まるのでご注意を。これは、ニュージーランドのどこへ行っても同じです。よほどの大都市でない限り、24時間営業の店(コンビニ)なんてありません。
3)スポーツショップも3軒ほどあり、フライの補充やガイドの手配も可能ですが、17時か18時には閉まってしまうし品揃えも貧弱なので、やはり上記の「Stu's」がオススメ。
4)レストランも数軒あり、バーを備えていたりして悪くないのですが、スーパーの食品がどれも安く、特に牛肉・ラム肉は日本からすれば激安なので、これらを宿でステーキにして、買ってきたビールで好きなだけやるのがオススメ。あと、チーズなど乳製品も安いです。朝食はシリアルがポピュラーで種類も豊富です。
5)ニュージーランドのネット環境はかなり行き届いており、多くの宿でプリペイド式(時間制限)の無線LANが使用できます。プリペイドカードにパスワードが記載してある方式。回線品質も、たぶんADSLだと思いますが、まあまあ速いです。

いずれにせよ、また行きたくて行きたくて仕方がありません。これまで3回ニュージーランドに行った中で、ゴアは最も安定して鱒が釣れる、川とともに暮らす穏やかな町です。できれば2週間ぐらい、のんびりこの町で過ごしてみたい。釣りに飽きたら、南端の南極探検の拠点インバカーギルまで出かけるのも悪くないです。そして、マタウラ川がこんなにも鱒が豊かな秘密を、もっと知りたいと思いました。
ゴアの次に好きな町は、南島北端部に位置するNelson(ネルソン)の町でしょうか。あそこはゴアと違って海産物が美味かった、もちろん鱒釣りも堪能できました。

いつの日かたっぷり時間をとって、ゴアからネルソンまでニュージーランド南島の西海岸を縦断する釣り旅をしてみたい。。。これが自分のささやかな夢です。

次回は、大物狙いで西部のオレティ川に挑んだ様子をまとめてみます。

2015年2月11日水曜日

ああ、、、ニュージーランドの鱒釣り(その2 ハウェア湖 ハンターバレー編)

~氷河湖の流れ込みで至福の鱒釣り~
クイーンズタウン空港に降り立った我々は、街場の観光など目もくれず、予約していたレンタカーに乗り込むや、はやる気持ちを抑えつつワナカへGO!

ニュージーランドの一般国道(郊外)の制限速度は時速100キロです。60キロ程度の、日本ならハイペースといえる速度でチンタラ走っていては、あおられ邪魔者あつかいされ追い抜かれます。林業の盛んなニュージーランドでは、直径50センチの丸太を満載した2連結のトレーラーですら時速100キロで猛追してくる~。こっちは貧弱な1.3リーターのレンタカー、もうアクセルべた踏み全開で、慣れないラウンドアバウトに戸惑いながら、他の車のペースに付いていくのが精一杯ww

でもこれって楽しい!日本のみみっちい道路交通法規なんてバカらしく思えてくる。だって日本じゃ、事故が起これば「スピードの出し過ぎが原因」の決まり文句で、実は何も考えていない。それ以前に、ドライバーの運転意識が弛緩している、運転の気構えがダラけていることが本当の原因なのに、、、事なかれ主義の交通法規は、真の事故原因を明らかにするための妨げとなっている。。。

失礼!関係ない話は置いておいて、釣り旅に戻ります。
ワカナに泊った翌朝、ガイドのお迎えで我々が目指すのは、通称ハンターバレーと呼ばれるハウェア湖の流れ込み。途中、ガイドのご自宅に寄ってモーターボートをヒッチ。
ガイドのボートで一気にハンターバレーを目指す。とびっきりの快晴。ガイドはワナカ在住のCraig Smith氏、ガイド業に真摯なナイスガイだ。

湖に降り立つや、さっそくガイドが鱒を発見!E氏の第1投!!
すかさずヒット!さあ、至福の1日の始まりです。
さすが手練れのE氏、首尾よく良型のレインボー鱒をキャッチ。

さらに、第2投目で2匹目をキャッチ!湖に着いてから、たったの2投で2匹の鱒をとったww調子良すぎダロ、こんなことってあるんですね。

水、水、水、圧倒的な、どこまでも透き通った水。底は見えるが、背が立たないほど深い。

今度は、本流からそれた緩い流れでブラウン鱒を狙う。鱒は水面に落ちたシケーダやトンボを狙っているようだ。エサを探して徘徊するブラウン鱒を見つけ次第、シケーダのドライフライをキャストする。ガイドの目が頼り。
私も首尾よくキャッチしました!60センチ弱、迫力満点のブラウン鱒です。このクラスになってくると、ブラウンは「鱒」というより「爬虫類」の趣きですね~。

この後さらに、もう一回り大きな70センチクラスのブラウンをキャッチ!残念ながら、写真を撮ろうとしたら暴れて逃げられ、お見せすることができません(本当です)。なかなかお目にかかれない大物だったらしく、写真を撮れなかったことをガイドがしきりに悔やしがっていました。さすがに手強い鱒でして、手前の急深に潜ったまま底に張り付いたように抵抗し、6番ロッドでもトルク不足でなかなか水面に上がってこなくて、かと思ったら一気に浮上して大ジャンプ、もうアドレナリン出まくりのひとときを堪能しました。後からガイドに、「オマエの竿はこれでも本当に6番か?この後ゴアに行くそうだが、そんな軟弱な竿ではこの先心配だ」などと、変な注意をされてしまいましたww

確かに好みの問題もあり、パラボリックなキラク製のブランクをNorth Country Anglerで組んでいただいたロッドではありますが、まさか「弱すぎ」とダメ出しされるとは。。。そういえば、ニュージーランドのロッドメーカーでKILWELL(キルウェル)というのがあって、ここのロッドなんかバットがガッチガチのティップアクションばかりなのも納得。ちなみにキルウェルは北島のRotorua(ロトルア)に本社工場があり、その2階がニュージーランドの釣り歴史博物館になっているので、ロトルアに行ったらぜひ立ち寄ることをオススメします。

再び本流に戻って再びサイトフィッシング。花咲き乱れる岸辺を、鱒を求めてさまよう、至福の時間。
いたっ!姿勢を低くして流れの中の鱒を狙う。首尾よく鱒の上流に落とすことができれば良いのだが、、、見えないんだな、これが。

昼食後は天気が落ちてきて、さすがのガイドもサイトフィッシングは無理ということで、湖に戻ってブラウン鱒を狙うことに。岸辺に打ち寄せられた虫を食べているらしく、ブラウン鱒は驚くほど岸近くの浅瀬に寄ってくる。岸から離れて鱒を探す。
とんでもない岸際の浅瀬でヒットしてきます。ガイドに教えられなかったら、湖に安易に立ち込んで、鱒を散らしてしまっていたことでしょう。ここで、ブラウン鱒の体の模様が保護色になっていることに気が付きました。よほど注意しないと湖底と区別がつきません。ここでもガイドの目が頼りでした。
湖岸に沿って、歩けば歩いただけ釣れ続けます。型は50センチまでですが、そんな贅沢は言いません。朝からトータルで、お互い10匹程度釣ったと思いますが、もう十分です。明るいうちにボートでビールを飲みながら凱旋しました。

ガイドのおかげとはいえ、これだけ充実した鱒釣りはめったに無いことです。この日出会った鱒たちは、自分の記憶の中でこれからもずっと游ぎ続けることに違いありません。

明日はクイーンズタウン空港で後発隊と合流し、釣りバカの町Gore(ゴア)を目指します。250キロのロングドライブです。

2015年2月8日日曜日

ああ、、、ニュージーランドの鱒釣り(その1 準備編)

岩手の渓流解禁まで、あと1ヶ月を切りましたね!とはいえ、3月早々の岩手は雪だらけ、本格的な釣りシーズンまでにはしばらく間がありそうです。

なわけで、ヲタクな道具話にも飽きてきたことだし、今まさに夏真っ盛りのニュージーランドの釣り旅をなつかしく振り返ってみたいと思います。というのも、そのうちまた行くだろうし、ニュージーランドって日本と違って都市化や大規模開発とは縁がないので、何年たっても釣り場の様子が変わらない。併せて、鱒釣りが楽しめる環境づくりに国レベルで取り組んでいることなど、振り返りながら整理してみようという趣向です。

ニュージーランドにはこれまで3回行きました。治安がイイし、何より大きな鱒が確実に釣れるので良い思い出ばかりですが、お話するのは2012年1月の旅、1月1日に日本を発って1月10日に帰国の行程でした。
1月1日:出国 → オークランド
1月2日:オークランド → クイーンズタウン → ワナカに車で移動
1月3日:ハウェア湖とハンター川(ガイド付)
1月4日:ワナカ湖 → ゴアに車で移動
1月5日:マタウラ川(ガイド付)
1月6日:オレティ川(ガイド付)
1月7日:マタウラ川
1月8日:マタウラ川 → クイーンズタウンに車で移動
1月9日:クイーンズタウン → オークランド
1月10日:オークランド → 帰国


さて今回は、この釣り旅のために必要となった、国内の旅とは異なった準備を整理しておきます。

■フィッシングライセンスの手配
いわゆる主要先進国ならどの国にも必ず、釣りやハンティングを司る行政機関があって、レクリェーションとして釣りに親しむ国民の権利を国が保証し、釣り場管理に努めているわけですが、恥ずかしいことに先進国の中で唯一、日本という国には遊漁を司る行政組織が存在していません(注)。で、内水面の釣りはというと、各河川の漁業協同組合に既得権があり、漁協に所属していない大多数の釣り人は、漁協に遊漁券という形でお金を払ってその権利を一部使用させてもらっている、というのが法律上の位置づけとなっています。
※注:水産庁資源管理部漁業調整課に「遊漁室」という部署はあるが、遊漁室に内水面管理の権限は無い。

当然ニュージーランドにも、従前から国レベルで釣り場管理の仕組みが機能しているわけですが、国の方針として「小さな政府」を目指しているニュージーランドでは、従来は政府直轄の行政組織であったフィッシュ&ゲーム局が「Fish & Game New Zealand」としてNPO化されています。ニュージーランドが鱒釣りのメッカとして世界中に名を馳せているのも、単に自然環境や人口密度の違いではなく、まずは、こうした釣り場管理の基盤がしっかり機能しているからである、ということを理解すべきでしょう。

逆にいえば、日本では内水面の釣りは漁業協同組合の既得権にゆだねられ、釣り人の権利はまったく保証されていないのが実情、と言ってよいでしょう。たかが「遊び」に法整備など不要、という考え方でしょうか?もちろん、釣り場管理に熱意があり、地域活性化などを目的にこれに真摯に取り組む漁協もありますが、しばしば、ダム建設補償金の受け皿といった、単なる既得権団体に成り下がっている漁協が少なからずあることも、また事実です。
まあ、国内の話(愚痴)はこのくらいにしておいて、ニュージーランドの河川・湖沼で鱒釣りをするには、まずフィッシングライセンスを入手しないことには違反行為ということになります。事実、釣りをしていても「Fish & Game New Zealand」の職員がライセンスの確認にやってきます。ガイドといっしょであれば顔パスで済みますが、単独で釣りをしていれば、釣っている最中でも川から上がってライセンスを提示することが求められます。もしライセンス不携帯の場合彼らには、釣具の没収、さらには警察への身柄引き渡しといった強力な権限が与えられています。

ライセンスはニュージーランドに着いてからでも、スポーツショップや釣具店で購入できますが、そうした時間が無い、あるいは時間がもったいないという向きは、日本からでもネット購入することもできます。今回はネットの事前購入で臨みました。購入は以下のサイトから。
※友人から指摘がありました。今シーズン(2014)からライセンスは釣具店・スポーツショップでは購入できず、全て「Fish & Game New Zealand」HPからのネット購入となったそうです。ご注意ください!

「Fish & Game New Zealand」
http://www.fishandgame.org.nz/

ライセンスは現在、シーズン券、 冬期間券、1日券の3種類があるようです。以前は週券や月券もあったはずですが、面倒くさいのでヤメたみたいです。一週間の釣りでもシーズン券になってしなうので123NZドル、現在の為替レートで1万円ほどになります。ムムム、短期滞在の海外からの釣り客には結構なお値段ですね。。。

このライセンスがあれば、国内どこでも鱒釣りが楽しめるわけですが、ただし、北島中央のタウポ湖及びこの湖に流入する河川だけは、「Fish & Game New Zealand」が発行するライセンスは通用せず、「タウポエリア」として別扱いになっているので注意が必要です。

ネットで購入したライセンスは、遅滞なく日本の住所に郵送されてきますが、もし、出国するまでにライセンスの郵送が間に合わない場合は、ネット購入したページをプリントアウトしたものを携行しても良いことになっています。

ライセンスといっしょにレギュレーション(釣りのルールブック)も送られてきます。項目は多岐に渡り、国内共通の事項と、地区ごと、河川ごとのルール(例えば、この川なら何匹までキープして良いか、など)が細かく記載されています。行きの飛行機などヒマな時間に目を通しておくと良いです。もっとも、通常のフライフィッシングをする限りにおいては特に大きな問題は無いハズです。英語が苦手な方には、こちらのサイトあたりが参考になるかと思います。

「ニュージーランドのライセンスとマナー」
http://nztsuri.qee.jp/freshwater/flyfising/fishing-rule.html


■ガイドの手配
見知らぬ土地での釣り旅、しかも限られた時間の中で釣果を得るには、ガイドの果たす役割は大きなものがあります。またガイドには、釣りのルールを守らせること、及び釣り人の安全を確保する、という務めもあるでしょう。今回は同行した東京の友人のススメに従い、トラウトアンドキングさんを通じて紹介、及び手配をお願いしました。

トラウトアンドキングさんはニュージーランドにも、オリジナルのフィッシングツアーを多数用意されていますが、我々はこれを利用せず航空券やレンタカーは自分たちで手配する代わりに、ガイドだけは信頼の置ける方をご紹介していただいた格好です。当然、手数料がかかって割高になってしまいましたが、これだけは失敗したくないのでケチらないことにした次第です。結果的にはこれで良かったと思っています。
ガイドは宿からの送り迎えや昼食の準備だけでなく、最初のハウェア湖ではエンジン付きボートも出してくれましたが、ガイド料は1人1日5万円ほど(後述)かかる計算です。けっこうしますね。ガイド1人に客が2名なので割り勘にはなりますが。


■タックルはどうしたか?
ロッドは、9フィート6番のシングルハンドが一般的です。これ1本で、よほどの大場所や湖の遠投でない限りOKでしょう。ただ、ドライフライを繊細に投げたいときはやや重いですし、湖で遠投を続けるときや強風用の予備も、ということで、
1)9フィート6番(4ピース)
2)9フィート5番(4ピース)
3)11.5フィート7番・スイッチ(6ピース)
の3本と、これに対応したリールを準備しました。

マルチピースにしたのは機内持込みをするためです。とにかく航空機の荷物の扱いときたら目を覆いたくなるほど乱暴なもの。私はまだ被害に会ったことはありませんが、預けたロッドケースがケースごと折れて出てくることも珍しくないそうです。また、飛行機の乗り継ぎの際にも荷物が行方不明になることも日常茶飯事。自分も以前、イエローストーン国立公園への釣りでロッドをロストし、空港に半日以上足止めを食らったことがあります。

実は今回の旅でも、クイーンズタウンで合流した後発隊の荷物が届かず、結局、2日遅れで宿に届いたのですが、その面々は当面、私の予備のタックルで釣るハメになったのでした。そんなわけで、とにかくマルチピースで機内持込みが絶対オススメ。ちなみに、9フィートの場合3ピースでは、長さ超過で機内持込みができません。

あと、よく知られていることですが、 ニュージーランドでは2008年10月1日からフェルト底のウェイダーは使用禁止となっています。例の、デディーモという珪藻の一種の拡大を防ぐための措置ですが、入国の際、濡れた釣具も持ち込み禁止となるので、しっかり洗って乾かす、又はこの際、ゴム底のウェディングシューズを新調することが必要です。アクアステルスのソールも、やはりフェルト底より滑ります。深場の急流では慎重なウェディングを心がけましょう。今回ではありませんが以前のニュージーランド釣行のとき、体の軽い私は深場のウェディングで流されてしまい、あやうく溺れかかった経験がありますww、このときは、ガイドが岩場から手を差し伸べてくれて助かったのですが、首から下げていた一眼レフカメラをオシャカにしてしましました。ともかく、命だけは助かって良かったです(苦笑)


■フライの準備は?
それこそ千差万別、出発前は妄想が膨らんで、あれこれ巻いて準備するわけですが、ひとしきりドライとニンフを準備したら、あとは現地のショップで購入するのも悪くありません。Webの情報とてリアルタイムとはいきませんし、河川や気象条件の違いもあります。もっともガイドがいれば、フライはマッチしたものを準備してくれますが。
釣り好きの国民性とみえて、どこの町のスポーツショップにもフライの道具と完成フライが置いてありますが、どれだけ釣り場に精通しているかはショップ次第。今回の旅で最高にオススメのショップは、クイーンズタウンからゴアに行く途中のAthol(アソル)という小さな町(というか、集落)にある、「Stu's Orgasmic World Famous Fishing Shop」です。

「Stu's Orgasmic World Famous Fishing Shop」
http://www.stusflyshop.com/
住所:2 Albion Street Athol 9793

分かりにくいので、地図と店の写真も載せておきますね。すごいヘンピなところにあります。
なんでも、東南アジアで現地の女工さんを指導してフライを巻かせているのだとか。上の写真のとおり種類も極めて豊富、フックは全てティムコを使用しており信頼して良いと思われます。わざわざニュージーランドに遠征したのに、得体のしれない貧弱なフックで大物を取り逃したら、それこそ一生後悔しますよ。ショップには小物類も充実していますし、買い物ついでにリアルタイムの釣り場情報も手に入れることができます。クイーンズタウンから南下する場合は必ず立ち寄ることを強くオススメします。


■で、結局いくらかかった?
今回の経費は、タックルを除けば以下の通りとなりました。いずれも万円単位で丸めています。

航空券        23万円 NZ国内便込み
NZ宿泊         5万円 モーテル
現地費用      4万円 食事飲み代
レンタカー     4万円 割り勘
FFガイド       8万円 合計3日間・割り勘
ライセンス     1万円 123NZドル
おみやげ      2万円 手ブラでは帰国できん   
国内交通・宿泊    3万円 岩手から東京往復
(合計)       50万円

けっこうかかってますね(汗)、ハイシーズンなので航空券も安くないですし、ガイド代が大きいです。


さて、ずいぶん長くなりましたが、次回から釣れた鱒の写真など自慢させていただきます(笑)